watashi

anotherのそのあとのanother

anotherの最後、コウジは

「日本に帰ったら母さんに伝えてくれ、南の島でふたりで元気にやってるって」

と言う。

 

果たして、これはコウジとキョウヘイの母を安心させるためだけの言葉であろうか。

否。

わたしは違うと思う。

 

そして結論からいうと、コウジはこのあと死ぬと思う。

 

 

 

 

 

そう思う要因は

  1. 今までから見えるコウジの性格
  2. ダイゴの言葉
  3. スポットライト

 

 

 

 

 

 

 1.コウジの性格

コウジは母がひとりになる*1ことがわかってるのに、わかってるのにひとりにするか?母がひとりで生きることがわかってて、島で生きる選択をするか?


だって、今までコウジは、フウガを助けることができなくてすごく自己嫌悪に陥ったり、仲違いしてたコジマやヨシオカを助けに行ったり、キョウヘイが死んだときだって自分がいちばん悲しいはずなのにその気持ちをぐっと抑えて落ち込む仲間に対して言葉をかけたり。
仲間を思う気持ちが人1倍強くて、家族を守る気持ちが人1倍も人2倍も強い。

そんな人が、島でひとり"生きていく"だろうか?

 


そして、

「キョウヘイが死んだのはこいつの心が弱かったからや」

とみんなの前では言ってるけど、その後コウジは「兄ちゃん守ってやれへんかった」と自己嫌悪に落ちていく。


弟がここでひとり死んだから傍にいるって、そのズタボロの精神で"生きれる"?

 

 

 

 

 

 

 2.ふたつめはダイゴのセリフ。

 

「キョウヘイと静かに暮らせよ」

 

きっと、ダイゴは、気づいてる。


島の民がいるとはいえ、苦しいサバイバル生活が待ってるのは目に見えているのに「静かに」の言葉えらび。

自ら選んだ道とはいえ、島での生活は果たして静かか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 3.スポットライト

最後、死んだキョウヘイとの会話で

キョウヘイ「兄ちゃん、大丈夫やったのに。さみしくなんかないのに。」
コウジ「キョウヘイ、兄ちゃんがずっとそばにおるからな」

 

キョウヘイが死んだこの島にいるよ、ともとれるけど、そうだけじゃない気がする。


キョウヘイのスポットライトが消えてから、コウジのスポットライトが消える。

ここの会話をただ単にシーンとして取り入れたいのなら、同時にスポットライトを消せば良くない?

後を追うように、コウジのスポットライトは消える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はい!以上です!

 

コウジはどんな気持ちでみんなが乗り込んだ船を見送るんだろうって考えただけで胸が苦しいけど!!その先のこと考えるのもっとしんどかった!!

 

素敵な舞台でした、another!

お疲れ様でした!(2016.8.2~26 全34公演)

*1:コウジもキョウヘイもやたら「母さんと兄ちゃんと僕で」と言っていたので、父はいない。3人を強調しているイメージがすごく強い